- ヒトナビ通信記事
2023.05.22
今年に入り、中途採用が全職種で活発化しております。
日本でも転職は当たり前の時代になってきました。
2023年5月16日の読売新聞オンラインニュースにこのような記事がありました。
政府の新しい資本主義実現会議(議長・岸田首相)で検討する労働市場改革に向けた指針の全容がわかった。雇用調整助成金の制度を見直し、リスキリング(学び直し)を支援する。離職時に受ける失業給付は、自己都合の場合に支給を延期する制限を条件付きで撤廃し、転職を促す。
リンク先:雇用調整助成金を見直し、リスキリング支援へ…失業給付は7日に短縮
政府の動きも踏まえて、これから大転職時代になると思います。
・失業手当が、自己都合の場合これまでの3か月後からが、条件付きで申請から7日後には貰えるようになる
・ハローワークが民間の紹介会社と求人情報共有を進めている
このように、国でも転職を推奨する動きがあります。
そうなると、若年層については少ないパイの取り合いになることが想定されます。
いままで通りの採用手法は通用しなくなる可能性があります。
今回、当社の採用担当でもある私の考えをまとめました。
※あくまで個人的な見解ですので予めご理解ご了承お願いします。
若年層はタイパを意識している
コスパは聞いたことがありますが、そもそもタイパとは?
コスパはコストパフォーマンスですよね。
タイパはタイムパフォーマンスです。
タイパとはなにか、「無駄な時間を極力省く」ことが効率がいい時間の使い方と考えるそうです。
例えば「歌」
最近の歌は、ギターソロの間奏や、イントロ時間が少ない方がヒットしやすいと言われています。
確かに、Adoさんの新時代や、LiSAさんの紅漣華なども、歌いだしからいきなりサビですし、あまり間奏ないですね。
例えば「動画」
YouTubeでは⚙の設定から、1.5倍速や2倍速で視聴する方も多くいるそうです。
2時間映画を10分にまとめたYouTube動画が良く見られているというニュースもありましたね。
例えば「オーディオブック」
倍速で聞く方も多いようです。
このように、情報があふれる時代だからこそ、短時間で必要な情報だけを得ようとする行動となり、「タイパ」が生まれたのだと思います。
私たちが昔、15秒のテレビCMを気にせず見ていましたが、今の時代は15秒でも長く、ザッピングをしたり、違うことをするようです。時代は変化していますね。
「タイパ」を意識して採用を考える
マイナビさんがまとめているブログが個人的にはなるほどとおもいましたので、リンク先を共有いたします。
Z世代が思う「タイパの良い就職活動」と「タイパの悪い就職活動」 ~就活に費やす時間とスマホ普及率の関係~
個人的に興味深かった内容を抜粋しました。
就活生が「タイパ」がいいと思った企業の取り組み
・動画を公開している企業に関してはタイムパフォーマンス良く就職活動を進められると感じたことがあります。「職種編」「企業理念編」「福利厚生編」などとチャプターで分けられていると見やすく、選考対策に取り組む意欲も湧きました。
オンデマンドの企業紹介動画。マイページ登録時点で録画済みの説明会やアーカイブが公開されていて、さらに倍速で視聴できた企業があったこと。録画式の企業説明動画は、いつでもどこでも気軽に見れるので、準備の時間がなく、すばらしい。・約7割の学生は、録画の会社説明会を早送りで見た経験がある
「マイナビ 2023年卒 学生就職モニター調査」(2022年4月)によれば、録画のWEBセミナーを視聴する際、「いつも早送りしながら見る」という学生が46.7%で、「早送りすることもある」と回答した22.9%と合わせると、7割近くの学生が早送りして見た経験があることがわかる。
面接で感じるタイパ(対面形式orオンライン形式、AI面接)
面接においてタイパが悪いと感じる学生が多かったのは、対面での面接に伴う移動時間や、グループ面接、受験者を同じ時間に集合させ一人ずつ呼び出して行うタイプの面接に関してであった。10分強の一次グループ面接を遠方の対面形式で行うこと。タイパだけでなくコスパも悪いと感じた
10分程度の個人面接をするために、東京、大阪、名古屋などの本社に出向くことです。行って帰ってくるだけなので、オンラインで良いのではないかと思います。解決策としては、最終面接以外はオンラインで行うことです。
グループ面接。自分がアピールできる時間が拘束時間に対して短すぎる。
一つの大きな会場に集められて、先着順に面接会場につれていかれたこと。 時間を決めて、余計な待ち時間ができないようにしたら良いと思った。
面接に限らず、就職活動全体における「移動時間」に対してタイパを意識する声は非常に多かった。先に述べた紙のエントリーシートと同様に、就職活動のオンライン化が進み面接においても対面とオンラインの使い分けが浸透している昨今、学生にとって「対面で実施する」ということが持つ意味・期待も変わってきている。オンラインではできないことだから対面で呼ばれているのだ、という意識になるため、「オンラインでも良かったのでは」と思うような内容であった時、その期待が拍子抜けに終わってしまったりすると、学生はタイパの悪さを感じてしまう。
私は、この黄色いマーカーを付けた部分が中途採用や採用時に大きく影響が出てくると思いました。
面接でも、勤務でも通勤時間がタイパに影響する
これからの時代は、
出勤してから退勤するまでの時間
ではなく
家を出てから帰ってくるまでの時間
で考える必要があります。
ITメディアビジネスオンラインのサイトでも、面白い記事がありました。
「仕事選びも“タイパ”重視? 我慢できる通勤時間」
かかっても良いとも思える通勤時間(出典:プレスリリース)より引用
40代以下は通勤に40分以下が7割近くという結果でした。
私も通勤は30分くらいで考えています笑
ここから物事を考えてみます。
25歳の近藤さん(仮名)は2社から内定をもらいました。
A社:年収470万円・月8日休み・実働8時間(月残業平均20時間)・福利厚生充実
勤務地は自宅から車で50分(転勤もある)
B社:年収400万円・月8日休み・実働8時間(月残業平均15時間)・福利厚生少ない
勤務地は自宅から車で15分(転勤もあるが考慮される)
「タイパ」時代を考えると、一概には言えませんが、これからの時代はB社に流れる可能性があるのではと思います。
ひと昔前は、20代でも年収1000万円などが強い採用武器でしたが、今は「タイパがいいか」が採用武器になる時代だと思います。競合他社が力を入れる前に、自分たちの会社で出来そうなことはないか模索することが大切ではないでしょうか。
・週〇日テレワークで通勤時間のストレス緩和
・転勤で今より通勤時間が長くなる場合は、「遠方お勤めご苦労さん手当」月10000円
・引っ越しが必要な転勤の場合「活躍ありがとう住宅手当」個人負担2割or月15000円など格安提供
・既婚者で単身赴任の場合「家族の協力ありがとうW手当」単身赴任手当50000円+単身赴任1Kまるっと会社用意
こんな感じで、できる・できないを一旦無視して考えてみると、視野が広がるかもしれません。
今回の事例が、少しでも採用活動のヒントになりましたら、幸いです。
齋藤裕樹
2009年から転職支援サイトの管理運営全てを任され、広告運用代理店に何度もだまされました。自分に知識がない事を痛感し、2010年からWeb広告の重要性を感じ、GoogleやYahooへ学習時間を投資しました。Googleについては1200時間以上を費やしGoogle認定アナリティクス個人認定資格(GAIQ)やAdWords認定資格(検索・YouTube・ディスプレイ・ショッピング資格)も取得し、運用実績も認められ、運用・費用・資格保有など全ての規定要件などを満たした企業だけに与えられる「Google Partner」に認定されました。