- ヒトナビ通信記事
2019.10.11
今月のヒトナビ通信 2019年10月 Vol48
今月のヒトナビ通信は、採用方式で取り入れている企業が増えている《スクラム採用》について、
ご説明させて頂きます。
スクラム採用の《スクラム》とはラグビー用語で、
「両チームのフォワードの選手がボールを間にして肩を組み押し合う」プレーのことを表します。
※現在日本ではラグビーワールドカップが開催しているので、観戦する方はよく見る光景かと思います。
スクラムをしているラグビー選手を見ると、全員で肩と肩を組み合わせていることから、
スクラム採用とは、全員一致団結して採用をするという意味となっています。
では実際にスクラム採用とはどのような内容なのでしょか?
細かく定義分けすると以下の内容となります。
①権限委譲
➡記載の通り、現場に採用の権限を委譲することです。
採用活動のフローを分解し、その各フローの権限を最適な社員に委譲するというものです。
各職種ごとの最適な採用方法に関して、現場主導でPDCAを回すことも意味します。
②成果の可視化
➡採用活動で得られた成果を全社員にフィードバックをする。
可視化することで、採用担当者の振り返りと全社員の共通認識を持つことができ、
部署間を隔てている壁が採用という共通するゴールを設定することで組織が活性化します。
③採用担当のプロジェクトマネージャー化
➡採用担当者が、採用活動という「施策のオーナー」ではなく、
採用活動全体の「プロジェクトマネージャー」や「ドメインプロフェッショナル」として機能している状況のことです。
採用関連の知識を現場に落とし込む役割を担っています。
◆スクラム採用のメリットとは
・採用力の向上
スクラム採用をすることで、全社員を巻き込む採用活動になる為、
様々なチャネルから候補者と出会う確率が増えます。
例えば、社員紹介、SNSなど現在のトレンドにマッチした採用活動が可能となります。
また、採用担当者の負荷軽減にもつながり、採用活動の質向上に能動的に取り組む余裕も生まれます。
・エンゲージメント向上
エンゲージメントとは、社員の会社に対する「愛着心」や「思い入れ」を意味します。
採用活動を進めていく過程で、自社について語る機会は必ず訪れるといってよいでしょう。
求人票の作成、説明会でのPRなどをおこなっていれば、
おのずと社員のエンゲージメントは向上します。
これにより、自社の魅力理解が進み採用広報の効率も上がるので、
更なる採用力の向上が見込めます。
最後に実際にスクラム採用を行っている企業の事例をご紹介いたします。
スクラム採用事例
Fringe81株式会社
事業内容
インターネット広告技術の開発/コンサルティング
HRテック領域等におけるウェブサービスの提供
取り組み事例
《全社的な取り組みをプロジェクト化し、人事がPMの役割を担う》
※PM=プロジェクトマネージャー
この会社は、現場主導の採用や組織改革をおこなうため、人事担当者が社内の「工数調整」「スケジュール管理」をして、
現場社員が活動しやすいような環境を構築されました。
また、潤滑油的な役割もPMの仕事ととらえています。
例えば、主業務の仕事とサイドプロジェクト(この場合は採用活動)のバランスを、PMが間に入って調整することもあります。
こうした活動は全て任意で行います。
しかし、社内評価の軸に、
「事業部の成果」だけでなく、「組織貢献」も取り入れているため、
こうした活動も社内評価につながります。
そのため、全社員が採用活動を目標として追いやすい体制が確立されているのです、
もちろん、上長と社員との面談の中でも、
主業務だけでなく、「組織貢献」に対する目標も設定されます。
上記の事例のようにスクラム採用は、
全員の目的意識の共有化が最大のポイントになります。
したがって、全員で採用をやる!と宣言しただけでは社員が動きません。
動かせる体制を《組織貢献度合い》のような評価点をつけることで、
目的意識をもって行動に移すことが可能となります。
分析:河合