- ヒトナビ通信記事
2020.04.11
今月のヒトナビ通信 2020年4月 Vol54
今回は前回のブログの最後にお伝えさせて頂きましたペルソナ設定について
解説していきたいと思います。
次回のブログをまだ見ていない方は下記クリックしてご覧下さい。
■そもそもペルソナ設定とは何?
ペルソナ設定とは、端的にいえば架空の顧客像を設定することです。
つまり、一人の架空の人物を想定し、そのプロフィールを、行動や価値観、
ライフスタイルなど、かなり詳細に設定していきます。
例えば、パチンコ店で採用したい社員像をペルソナ設定した場合、
・イメージ顔写真の設定
・年齢:23歳
・西東京市在住。最寄り駅までは徒歩15分
・間取り1Kの賃貸で一人暮らし
・現在は飲食店(居酒屋)でアルバイト勤務
・学生時代から継続してアルバイトしているため勤続年数は約3年
・時給は1500円 月合計収入100,000円
・お酒は嗜む程度
・パチンコ・スロットは先輩から教えてもらい週1回遊びにいく
・パチンコ・スロットには1回あたり3万円前後利用。
・趣味はアプリゲーム
上記のように出来る限り細かく設定します。
また、営業面では、顧客像を絞ることでSNSやWEBなどで有効なアプローチがかけられる時代になり、
もっとその人の行動や性格、価値観等まで含んだ具体的な設定が必要なのです。
■異業種のペルソナ設定事例(営業編)
スープストック東京
1年半をかけて60種類のスープを試作する必要があった為、
ペルソナ設定 「秋野つゆ」という架空の女性を設定し、
彼女がつくるスープなどんなスープを作るかという想定をしました。
彼女は、 ・装飾性よりも機能性を好む ・フォアグラよりもレバ焼きが好き
・プールでは平泳ぎではなく豪快にクロールで泳ぐ。
などなど、細かな彼女のプロフィールや属性情報を書き連ねました。
その後、商品開発、店舗開発をしていく中で、
「これって、秋野つゆさんっぽくないよね」とか、擬人化させながら方向性を決めました。
ジャガビー
既存のスナック菓子では攻め落とせなかった「20~30代の独身女性」をターゲットとし、
ペルソナ設定 彼女たちがよく読む雑誌からライフスタイルを類推、
独身の女性社員にミーティングに参加してもらったりしながら顧客像を肉付けしていきました。
27歳独身女性、文京区在住、ヨガと水泳に凝っている・・・といった詳細な記述からは、
おしゃれで情報感度が高く都会で独り暮らしをしている女性会社員の姿や価値観が浮かんできました。
テレビCMの出演しているモデルのヨンア氏はファッション雑誌「Oggi」で活躍中で、
Oggiとヨンアという選択も「彼女たち(ターゲットとすべき顧客層)の視点で評価」した結果です。
販路はコンビニエンスストア限定と決まっていたため、独身女性には社内からも反対はありました。
理由は、コンビニの来店客数は8割が男性だからです。
それでもふたを開けてみれば購入者の半数 は女性という結果でした。
カルビーでは現在、各商品ブランドごとの明確化に力を入れ始めており、
今後もたった1人のために作りこむことで万人が買いたくなる商品を生み出していきます。
■ペルソナのメリット
・営業は顧客像、採用は、採用社員像を共有できる
簡易的な「20代フリーター」「パチンコが好きな男性」などの設定があったとしても、
どうしても各個人がそれぞれの経験や知り得る知識に基づいた想像が優先されてしまい、
担当者間やチーム間でのターゲット像の認識にズレが生じてしまいます。
全員の共通の知人のような感覚で、ペルソナを作成・設定しておくことで、そのズレを防ぐことが可能です。
・ユーザーファーストのサービス設計が可能
企業やブランドは、自社の商品やサービスの性能の良さや伝えたいことを一方的に発信してしまいがちですが、
具体的にペルソナを設定することで、ユーザー目線での商品・サービスの設計ができるようになります。
上記は採用に関しても同様に、求職者目線で採用の組み立てが可能となりますので、
今の自社HP並びに掲載している求人内容の見直しを出来ます。
■ペルソナ設定する際の必要項目
①基本情報(年齢、性別、居住地など)
②職業(大学・学部、業種・役職、最終学歴)
③生活パターン(起床時間、通勤時間、勤務時間、就寝時間、外食派or自炊派、休日の過ごし方)
④性格(価値観、物の考え方)、生活での実感(困っていること、興味があること)
⑤人間関係(恋人・配偶者・子供の有無、家族構成)
⑥収入、貯蓄性向
⑦趣味や興味(インドア派orアウトドア派、友人間での流行等)
⑧インターネット利用状況・利用時間
⑨所持しているデバイス
⑩流行への感度
これらの項目を設定していくと、架空の人物の基本情報からライフスタイル、
価値観や行動パターンが見えてきます。
先ずは、上記内容を踏まえて自社が採用したい像を会議の時間に
すり合わせしてみては如何でしょうか。
一方的に良いと思っていた求職者への発信が自分たち本位になっていた!
という気づきが得られるかもしれません。
文責:河合