- ヒトナビ通信記事
2018.10.11
今月のヒトナビ通信 2018年10月 Vol36
【10代~20代の働くことに対しての考え】
就労中の18歳~29歳の若者に、働く意義について聞いたところ、
「働くのは当たり前だと思う」と答えた人が全体の4割に過ぎず、
さらに「出来れば働きたくない」と答えた人が全体の3割もいる結果でした。
若者の意識改革は今後の会社、日本の成長のカギを握る大切な事象です。※電通総研調べ
資料1
資料1では、冒頭に触れた若者の働く意義のアンケート結果となります。
ここで気になるのが、女性の若者(18歳~29歳)の【働くことに対する意識】と
【会社や仕事の選び方】に対する意識が男性よりも全体的に高いという結果です。
安部総理が掲げているアベノミクスの項目に女性就業率を73%に上げるという内容があります。
それに伴い、女性が活躍できるフィールドが増えたことで、仕事に対して前向きな女性が増えた結果と言えます。
この結果は間違いなく、日本社会にとってプラスになっている事象です。
しかし、男性を含め、「出来れば働きたくない」と嘆いている若者もいるにも事実です。
では、会社の未来を創る若者の仕事に対する意識はどのように改善するば良いのか?
資料2:会社に対しての不満
資料2は、会社に対しての不満内容のアンケート結果です。
20代・30代・40代共通して会社の不満は給与やボーナスが低いことが挙げられてます。
では、若者である20代には給与ベースを上げればモチベーションが上がるのか?
答えはNOです。
過去にTEDというアメリカのプレゼンテーションイベントの中で、
ニューヨーク大学教授のクレイシャーキー氏が、次のよう実験結果を紹介していました。
イスラエルの複数の保育園で、お迎えの時間を守らない父兄が多いために、
「お迎えの遅刻については、10分以上遅れたら10シェケルの罰金」という規則を創り、
その成果測定の実験を行った。その結果どうなったのでしょうか?
それまでは、平均一保育園あたり週に6-10人が遅刻していたのが、
一気に3倍の遅刻者数に「増加」してしまったのです。
更に驚いたことに、12週間後に罰金制度を修了した後も、増えた遅刻者数は元に戻らなかったそうです。
この実験の結果から、クレイシャーキー氏は次のように仮説を立てました。
「金銭的動機と内因性動機は相性が悪い。そして、一度不一致が生じると修復に時間がかかる。」
したがって、給与などの金銭的動機ももちろん大切ですが、
それはあくまでも一時的な衛生要因にすぎないのです。
ではどうすべれば継続的に若者のモチベーションアップを図れるのかというと、
【自己実現の達成】と【自他承認】を向上させることです。
上記は人間欲求を満たす5段階を心理学者のマズローが提唱しています。
①生理的欲求(食欲・睡眠・性欲)
②安全性欲求(住居・衣服・貯金)
③尊厳欲求(友情・協同・人間関係)
④自我の欲求(他人からの尊敬・評価される・昇進)
⑤自己実現欲求(潜在的能力を最大限発揮して思うがままに動かす)
10代~20代の若者は、①と②は満たされた環境にいるため、
今、求める欲求は③社会的欲求と④自我の欲求を求めています。
今日から部下に対して些細なことでも構いませんので褒めてあげてください。
そこから先ずは始まります。
分析:河合