- ヒトナビ通信記事
2020.03.11
今月のヒトナビ通信 2020年3月 Vol53
今月3月1日から2021年卒のエントリーが開始されました。
コロナの影響で合同説明会延期などもニュースになって騒がれておりますが、
新卒採用は年々厳しくなっているのが現状です。
そこで今回は、新卒採用に必要性を改めて考察していきたいと思います。
■新卒採用は諦めている
表題に「9割以上が新卒採用に危機感を感じている。」と
インパクトある内容を記載させて頂きましたが、
正に全国の新卒採用を行っている会社はこのような思いで採用活動をスタートしております。
売り手市場が続く中、新卒採用に苦戦している企業も多く、人材会社ディスコの調査によると、
2020年卒学生の採用に「かなり危機感がある」と答えた企業は全体の40.9%。
「やや危機感がある」(53.6%)と合わせると、
9割以上の企業が新卒採用に不安を抱えている現状が明らかになりました。
新卒採用に苦戦される理由は、学生が企業へ多くを求める傾向が要因となっています。
例えば、
「会社に所属しているだけでは安定が出来ないので、副業をしたい。」
「プレイベートの時間を大切にしているので、定時にちゃんと帰り、公休・有休もしっかりと取得したい。」
などなど、挙げたらキリがないですが、年々学生が企業に求める条件は高くなっています。
上記の現状が続くと、よい人材は福利厚生や給与条件のよい大手企業に軒並み奪われてしまい、
中小企業にまで学生が回ってこないという結果に陥るのです。
■成長できる場の提供
※就職みらい研究所 学生調査モニターの大学生・大学院生を対象に「就職プロセス調査」結果
上記は、学生が就職先を決める決め手となった項目です。
福利厚生を大手のような水準に合わせることが困難な中小は、【成長できる環境】を前面に押し出すことで、
学生が就職先を選ぶ選択肢となりうる可能性があります。
では、【成長できる環境】とはどのような環境を指すのでしょうか?
■成長産業×成長企業×成長環境の「成長の3乗法則」
成長できる環境の方程式は、上記の3つの掛け合わせと言われております。
例えば、新卒採用を成功させているメルカリは、上記の法則に当てはめると、
成長産業(IT業界)×成長企業(メルペイなどの新サービス開始)×成長環境(ひとり一人がプロフェショナル)
全てを掛け合わせることにより、魅力的な企業となり、
結果的に多くの応募者が志望することに繋がります。
では、パチンコ業界に置き換えたとき、残念ながら成長産業は売上縮小し、成長企業もごく一部の企業しか当てはまりません。
したがって、成長環境に熱意を持って全力投球をしなければ、新卒採用で成功することは不可能なのです。
したがって、パチンコホール企業が新卒採用をする場合、【成長環境】に特化して新卒媒体の内容、
または説明会内容を組み立てることで、学生たちに選ばれる企業になりうる可能性がございます。
では、成長環境とは具体的にどのような環境でしょうか?
チャレンジする機会を得られる環境かどうかが重要となります。
しかし、チャレンジするチャンスが得られますと言葉だけで説明しても、
実際できるのは実務経験のある勤務年数の高いベテラン社員や中途入社の人たちだけであり、新卒が関わるのが難しいのでは?と不安に思う学生もいるかもしれないので、新卒2、3年目の社員が学生たちに説明することが最も効果的です。
極論、新卒採用の前線は、新卒2、3年目の社員に任せて、
人事の責任者は、全体を統括するポジションで新卒採用を行うことが今の時代にマッチした新卒採用かもしれません。
もうひとつ今後の採用で大切なことをお伝えします。
①セグメントからの採用を行わないこと
セグメントとは学生をタイプ別に切り分けることで、
そこから自社が求める人をターゲットとしようとするやり方ですが、完全に企業目線での採用活動になっています。
例)文系、理系、偏差値別など
②ターゲットからの採用を行わないこと
セグメントから自社で採用したい層を決めることがターゲットです。
例えば、文系で体育会系を採用したいとターゲットを決めて採用活動をすることです。これもまた企業目線での採用活動です。
③ペルソナからの採用を行うこと
これまで自社で活躍している人はどんな学生なのかを抽象的ではなく具体的に個人単位まで落とし込むことです。
例えば、大学卒で、出身地は青森県、高校卒業後に東京で一人暮らしをしていた、男性、家族構成は実家に祖母と父と母、仙台に21歳の妹がいる。
というように個人まで落とし込みます。こうすることで、そのような学生にはどんなキーワードや内容が響くのか具体的に戦略が立てやすくなります。
文責:河合