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2021.12.03
転職活動をしていると、求人情報などにみなし残業というワードを目にします。
みなし残業は、給与に関わる大切なことなので、しっかりと理解しましょう。
■みなし残業とは
みなし残業とは、賃金や手当の中に、あらかじめ一定時間分の残業代を含めておく制度のことです。
一定の残業代を固定して支払う固定残業制度とも言われています。
更にみなし残業と呼ばれるものは
「定額残業代制における残業時間」と「みなし労働時間制における残業時間」の2つに分けられます。
定額残業代制における残業時間
定額残業代制とは、1日8時間の法定労働時間を超過する分の時間外労働に対して支払わなければならない割増賃金を、
実際の労働時間に関係なく毎月固定額支払うという制度のことです。
そして、ここでの固定額というのは、
「月に〇〇時間の残業をした場合の割増賃金」というような形で決定されます。
この「〇〇時間の残業」こそが「みなし残業」の1つの意味になります。
ちなみに、この「定額残業代制」は全職種に対して適用が可能な制度です。
みなし労働時間制における残業時間
みなし労働時間制とは、外回りの仕事が多い営業職など、
企業側が労働時間を把握しにくい職種に対して適用が可能な制度で、
「毎月〇〇時間働いている」と定めて、
そのみなし時間分の給与が支払われる制度です。
みなし時間が1日8時間の法定労働時間を超える場合、
その超過分が「みなし残業」と呼ばれ、割増賃金が適用されることになります。
上記2種類の残業時間は、就業規則の範囲内で定めることが可能であり、
労働基準法に従っている限りは違法ではありません。
しかし、労働基準法に則れば、例えば定額残業代制において
「月40時間分の残業代」が基本給に上乗せして固定で支払われていたとしても、
実際の残業時間が月80時間であった場合、
実態に合わせて40時間分の残業代を追加で支払わなければなりません。
お金についてはセンシティブになりがちですが、
トラブルを避けるためにもしっかりと把握しましょう。
■定額残業代制・みなし労働時間制のメリット
定額残業代制メリット
労働者側のメリットは、たとえ残業をしていなくても残業代は支払われることです。
毎月得られる収入も安定します。
労働時間の長さではなく、
効率よく仕事を行い成果を上げることで収入が増えるという考え方もできるでしょう。
みなし労働時間制メリット
みなし労働時間制では、一日の労働時間だけでなく、
始業時間や退勤時間についても労働者本人にゆだねられているため、
時間に縛られることなく、自由度高く働くことが可能です。
働く時間だけでなく、仕事の進め方も自分で決めて成果を求めていく働き方のため、
モチベーションアップにつながるとも言われています。
■まとめ
今回のみなし残業以外にも労働条件に明記している内容を何となく理解しているつもりで
スルーしてしまうことはないでしょうか。
入社してからそんなこと聞いてない!といったトラブルを防ぐためにも、
しっかりと労働条件のお金の箇所はしっかりと確認しましょう!