- ヒトナビ通信記事
2021.01.11
経営者・人事責任者の方の為のヒトナビ通信(2021年1月号)
昨年2020年4月7日から5月25日の期間に起きた緊急非常事態宣言が、
今回は首都圏一都三県に限定され2021年1月8日から2月7日に発出されました。
今回パチンコホールへの影響は営業時間を前倒しにする時短要請のみですが、
不要不急の外出自粛の為、影響は避けられません。
そんな状況下で求人数並びに求職者はどのような動きとなるでしょうか。
昨年の緊急非常事態宣言のデータを踏まえて考察します。
■昨年2020年の求人の動き
昨年2020年の全国の求人数の推移は下記のグラフとなります。
このグラフを見ると、当たり前ですが緊急非常事態宣言が発令された2020年4月から求人数は激減しています。
前月3月と比べても-37,4%の下落となります。
そこからさらに5月以降も求人数が下がっていることから、
飲食や販売サービス系の企業を中心に営業自粛、先行きが見えない中、
採用活動を一時停止する企業が非常に増えた結果となりました。
主要職種では、販売(販売) 216,073件(-30.2%)、サービス(給仕) 132,438件(-42,8%)、運搬・清掃・包装等 96,699件(-40.0%)、サービス(調理) 84,945件(-44.3%)、専門(教員・講師・インストラクター)69,425件(-15.2%)となりました(「主要職種別件数表」参照)。
雇用形態別件数は、全体で 911,236件(-37.9%)、正社員 191,196件(-33,9%)、アルバイト・パート 664,058件(-38.8%)、契約社員他 55,983件(-39.3%)となりました(「雇用形態別件数」表参照)。
しかし、今回の発出された緊急非常事態宣言と大きく違うのは、完全なる営業自粛ではないということです。
サービス業にとっては、緊急非常事態宣言が出た時点で死活問題だ!という
企業ももちろんいらっしゃるかと思いますが、営業出来るということは社員・アルバイトも現場で仕事を行うので、人員は必要不可欠ということです。
したがって、今回の非常事態宣言によって昨年までの求人数減少は起こらないと推測されます。
むしろ緊急非常事態宣言明けに企業として新しい出発をするために、
優秀な人材を採用するため、逆に今がチャンスと採用に力を入れる企業も出てくるかもしれません。
■求職者の動向
Googleの検索トレンドを見てみと面白いデータがございます。
※縦軸の単位は%
これは昨年2020年1月1日から5月26日の期間で「転職」というキーワードで検索した数の推移です。
これを見てみると1月末から減少傾向になりますが、5月頃から徐々に数が増えているのが分かります。
転職に関連する検索キーワードを調べてみると、「コロナ 転職」などのワードが急増しているのが分かりました。
コロナ禍によって多くの方が先行きに不安を覚え、ネットなどを活用し、
何かしら転職に関わる動きをとっているのが分かります。
この動きは、恐らく今回の非常事態宣言時にも同様にみられることが想定されるため、
求職者の動きは増えることが予想されます。
■経験者の採用競争激化
「エン転職」を運営するエン・ジャパンによると、2020年4月以降は未経験求人が減少しました。
求人に占める未経験求人の割合は、コロナ前の2020年1月には79%だったが、
同じ年の10月は57.1%と大きく低下しています。
これはパチンコ転職ナビを運営する当社も同様に未経験者OKの求人が
昨年4月以降7割近く低下し、経験者のみの採用に切り替える企業が非常に増えました。
このことから、厳しい状況下でより即戦力が求められる経験者のニーズが高まり、
優秀な人材はコロナ以前よりも多くの企業から内定を貰うなどの実態も見受けられます。
したがって、経験人材の取り合いは避けられない為、
求人数が少ない今だからこそ求人を出した企業は、優秀な人材と出会える確率が高いのです。
■まとめ
再び緊急非常事態宣言が出された今、求職者は必ず情報を取りに動きます。
コロナという外的要因を理由に不平不満を言いたくなりますが、
ここはグッと抑えて自粛後の1か月後、新年度が始まる4月以降を見据えて
情報を取りに来ている優秀な人材と出会うために採用活動は是非継続してください。
この記事の執筆:河合
キャリアアドバイザー
企業リクルーター